自動車保険とは?
自動車保険とは
自動車保険とは、自動車事故等による損害に備えるための保険です。
ここでいう損害には、死傷した人への治療費や慰謝料、壊してしまった物の修理代、また自分自信の治療費や自分の車の修理代などが含まれます。
なお、事故の相手方などが被った損害(治療費、修理代、慰謝料)に対して、金銭的な支払いをすることを損害賠償といいます。
つまり自動車保険は、事故等で損害賠償責任を負った場合にそのための賠償金を保険金として支払ってくれたり、自分のケガの治療費や車の修理代を保険金として支払ってくれたりする保険です。
このように自動車保険で損害に対して保険金がでることを補償といいます。
自動車保険の補償には、大きく分けて、事故の相手方への補償、自分や同乗者への補償、自分の車への補償の3つがあり、相手方の補償はさらに人に対する補償とものに対する補償に分けられます。
自賠責保険と任意保険
自動車保険には、自賠責保険と任意保険の2つの保険があります。
自賠責保険は「自動車損害賠償保障法」という法律で加入が義務づけられた保険です。補償の範囲は事故の被害者が死傷した場合の慰謝料や治療費等のいわゆる対人賠償のみとなります。また賠償金額も死亡の場合で3、000万円という上限があります。
任意保険は、民間の損害保険会社がおのおの独自の保険として販売している自動車保険です。対人賠償だけでなく、壊した物の修理代や自分のケガ、自分の車の修理代なども補償されます。
法律で義務づけられた自賠責保険に加えて、自分の判断(任意)で加入するので任意保険といわれています。入るか入らないかは任意ですが、自動車を運転するものの責任として加入すべき保険です。この任意保険の加入率は約70%以上あります。
通常、自動車保険に入るとか選ぶというときには、この任意保険のことをさしています。
自賠責保険と任意保険の役割
自動車保険には、加入が義務付けられた自賠責保険と自分の判断で加入する任意保険の2つがありますが、それぞれの保険には別々の役割があります。
自動車事故の被害にあって死亡したりケガをしたときに、事故を起こした自動車の運転者にお金がなくて、被害者が損害賠償を受けられないということになってしまうと、被害者は大変困ってしまいます。そのようなことにならないために、被害者が最低限の損害賠償を受けられるようにすべての自動車に加入が義務づけられているのが自賠責保険です。
したがって、自賠責保険には最も重要な被害者救済としての補償、具体的には相手方の死亡やケガに対しての補償しかありません。
また、その補償額にも上限があります。
自賠責保険では補償されない、対物賠償、自分や同乗者の傷害、自分の車の損害等にも対応できる保険です。また対人賠償についても、自賠責保険だけでは補償しきれない高額賠償に備えることができます。このように任意保険は、最低限の補償しかない自賠責保険を補完するのが役割の保険です。
自賠責保険の事故被害者の最低限の補償を確保するという役割からわかるように、自賠責保険だけでは相手方に十分な賠償をすることはできません。また自分自身のケガや自動車の修理代も補償されません。そこで、自賠責保険では足りない部分を補償額の面と補償範囲の面の両面から補うためにあるのが任意保険です。
したがって、任意保険は、任意という名前ではありますが基本的に必要な保険であるといえます。