搭乗者傷害保険
搭乗者傷害保険とはどんな保険?
契約した自動車に乗車している人が、自動車事故により負傷したり死亡したりした場合に保険金が支払われる保険です。支払われる保険金の額はケガなどの状態に応じてあらかじめ決められています。自動車保険の対人賠償保険では、運転者自身やその家族のケガは補償されませんので、本人の傷害に備えるために必要な保険となります。
搭乗者傷害保険の対象となるのは、契約した自動車を被保険者が運転していて事故が起きた場合となります。
搭乗者傷害保険の補償
搭乗者傷保険で支払われる保険金は被害の状況に応じて以下のようになっています。
また、搭乗者傷害保険の保険金は、事故の相手方から対人賠償保険が支払われたり、人身傷害保険、無保険車傷害保険、自損事故保険など別の保険から保険金が支払われる場合でも、それらとは別に支払われます。
搭乗者傷害保険の保険金
保険金の種類 | 保険金額 | 支払要件 |
---|---|---|
死亡保険金 | 1名につき、設定した保険金額全額 | 事故発生日から180日以内に死亡 した場合 |
後遺障害保険金 | 1名につき、設定した保険金額の 4~100%(症状に応じて決定) |
事故発生日から180日以内に後遺 障害が生じた場合 |
医療保険金 | 1名につき、ケガの状態や治療内容 に応じて保険会社が定めた金額 |
事故発生日から180日以内に医師 の治療を受けた場合 |
搭乗者傷害保険の特徴
搭乗者傷害保険がどのような保険であるかをわかりやすくするために、主な特徴をまとめると以下のようになります。
- 契約した自動車に乗車していて死傷した人すべてが補償される
- 一人につき、あらかじめ定められた金額が支払われる
- 比較的短期間で保険金が支払われる
- 相手方の対人賠償保険から保険金が支払われる場合でも支払われる
- その他の保険(人身傷害保険、無保険者傷害保険、自損事故保険)の対象となる事故の場合でも、他の保険金の支払いとは別に保険金が支払われる
搭乗者傷害保険で補償されない場合
自動車事故により運転者やその家族が死傷してしまったときに役に立つ搭乗者傷害保険ですが、どんなときにも必ず補償されるわけではありません。保険がきかない場合があることも理解しておきましょう。
搭乗者傷害保険で保険金が支払われないのは以下のようなときです。
- 運転者の故意または重大な過失による場合
- 運転者の自殺、犯罪、闘争により生じた傷害
- 無免許運転、酒酔い運転、麻薬やシンナーなどを使用した運転の場合
- 地震、噴火およびこれらによる津波により生じた傷害
- 戦争、内乱、暴動などで生じた傷害
- レースなどによる事故の場合
搭乗者傷害保険は運転者自身の傷害を補償する保険なので、対人賠償保険や対物賠償保険と違い、運転者の過失や自殺、無免許運転や酒酔い運転などの場合は補償の対象外となっています。
また、乗車している人がいわゆるハコ乗りなどの危険な乗り方をしていた場合なども補償の対象外となります。
人身傷害保険との違い
搭乗者傷害保険は、自動車に搭乗していた人の傷害を補償するという点で人身傷害保険と似ています。
大きな違いは、被害の状況に応じてあらかじめ決められた金額が補償されるということです。
通常、傷害の損害額が確定するには治療が終わるまでの期間が必要となりますが、搭乗者傷害保険の保険金はあらかじめ決まった金額なので、治療中などでも保険金を受け取ることができ、それがメリットといえます。
ただし、実際の損害に足りないということがあります。