【最高裁判決】認知症家族の責任認めず
認知症
認知症高齢者の賠償責任を認める判決が出ていました!!
最高裁は妻に賠償を命じた二審判決を破棄しました!!
判決のあった事故
この裁判は、2007年愛知県で徘徊中に電車にはねられ死亡した認知症高齢者(当時91歳)の家族にJR東海が列車の運行に支障が生じ、振替輸送の費用等の賠償を求めた裁判です。
- 一審の名古屋地裁は妻と長男の監督責任を認め2人に約720万円の賠償を命令
- 二審の名古屋高裁は妻のみの責任を認め約360万円の賠償を命令
最高裁は3月1日、今回の事故は家族の監督責任可能とは言えず賠償責任はないとの判決です。
最高裁判決ですのでこれで確定します。
今回の判決は、以下のようです。
- 認知症と同居する配偶者というだけでは監督義務を負わない
- 生活状況や介護を総合的に考慮して監督可能と判断されれば賠償責任を負うことがある
- 今回の家族の場合は監督可能とはいえず賠償責任はない
判決の影響
配偶者と云うことで監督責任を認めた二審判決に比べ配偶者ということでは監督責任はないとした最高裁の判決を評価する意見が多いようです。
判決内容は支持する意見が多のですが、認知症の人が第三者に損害を与えた場合の被害の救済ができなくなるとの懸念もあります。
今回はJR東海という大手企業なので被害の救済は問題になりませんが、例えば個人の被害の場合ではどう救済されるかは未定です。
そこで、以下が注目されます。
- 犯罪や交通事故の被害者を支援する指定被害者支援制度
- ひき逃げや無保険車事故を救済する政府保証事業制度(自賠責保険と同じ保証)
- 契約の自動車事故被害を救済する人身傷害車外事故特約
- 加害者の賠償を補償する個人賠償責任特約
個人賠償責任特約
日本国内、国外を問わず契約者、その配偶者または同居の親族・別居の未婚の子が日常生活における偶然な事故(自動車事故を除く)で法律上の損害賠償責任を補償します。
認知症
日常生活の事故を補償する個人賠償責任特約は加入すべき特約です!!
自動車や自転車の被害を補償する人身傷害車外事故特約も有効です!!